ピャチェーレ シャングリ・ラ ホテル東京

イタリア語で“喜び”を意味する名前の「ピャチェーレ」。
名前の通り記念日などに向いたレストラン。全面ガラスの窓からは奇麗に整備された東京駅前ロータリー、丸ビル、新丸ビルの夜景、行幸通りから真っすぐに皇居を望む絶好のビューを持ち合わせている。実際、一休などの窓側テーブル確約プランなどは18,000円台でホテルとは言えイタリアンとしては高価格ディナーながら、ディナー予約は窓側から埋まる。ドラマチックな夜景はそれだけ価値があるということだろう。もちろん、昼間の開放感あふれるビューも申し分ない。

窓からのビューだけではなく、イタリアのお屋敷、“パラッツォ”の豪華なグランドダイニングへのオマージュを意識していたり、ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)を表現したと言われるスタイリッシュなインテリアも魅力であり世界観がよくできている。
シャングリラのオーナーの趣味でもあるシャンデリアへのこだわりはピャチェーレでも上手に活かされており、2フロア分の吹き抜け天井には豪華でありながらスタイリッシュなベネチアングラスのシャンデリアがさらにピャチェーレの魅力を増している。シャングリラ ピャチャーレのプラン一覧

  • ゴーミヨ2018 14.5/20 3トック
  • シェフ アンドレア・フェレーロ (Andrea Ferrero)
  • 住所  千代田区 丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館
  • 電話 (03) 6739 7888
東京レストランのおすすめするドレスコード

ホテル側からはスマート・カジュアルを要求されていますが、特にこのレストランは室礼の豪華絢爛さでも有名であるため、女性は指か耳に派手な光物の一つもつけていることを推奨。男性はできるだけカッコよく渋く。

変更事項

特になし。個室はあるのですが、半個室のような作りなので前もって理解しておこう。場所としては、下の写真の真ん中にある花瓶が並んだあたりの裏に、数段上がった場所があり、そこです。基本、自分から立ち上がってうろうろしなければ個室とほぼ同じ。店内は実際にはもっと光とキラキラ感が多く、そして陰影が深い感じ。本当に大人の空間。

シェフの紹介

総料理長 アンドレア・フェレーロ (Andrea Ferrero)
ピエモンテのイタリア北西部にあるモンドヴィの出身。

19歳
ホテルマネージメント&ケータリングの証書を取得。

グアルティエロ・マルケージが立ち上げに携わったイタリア料理学校、ALMAにて学ぶ。
スペイン デニアのキケ・ダコスタ、ドバイのヴィヴァルディ、レストラン、インドネシアのブルガリ ホテルズ&リゾーツ・バリで腕を振い、創作料理で世界的に有名な都市でキャリアを構築した。

特に、ミシュラン2つ星を受賞したシェフ、キケ・ダコスタの指導で腕を磨き、伝統的なレシピに独創的な発想を融合させた地中海料理を専門にしている。

2011年から2014年
エグゼクティブ シェフとしてイタリアの5つ星ホテル「ブルガリホテル・ミラノ」で二代目のエグゼクティブシェフとして活躍。

2014年9月1日
シャングリ・ラ ホテル 東京のエグゼクティブ シェフに就任。

料理に関しては、総料理長であるアンドレア・フェレーロの力量が上手に発揮されていると思う。きちんとした基礎の上にグルメなセレブ達を相手にスペインなどで腕を磨き、ブルガリリゾーツのバリ、ミラノとさらに責任ある立場で腕を振るってきただけのことはある。料理自体は自然なコンテンポラリーイタリアンを目指しながらも、いわゆるフュージョンに走りすぎないよう心がけているのがよく見て取れる。マンマのイタリアンこそがイタリアンらしさの根っこでありゲストが心のどこかでイタリアンに求めているものをよく心得ている。

ミシュランの星はどーもイタリア人シェフのイタリアンはお好みではないようだが、ピャチェーレ アンドレア・フェレーロには星を付けてもよいと思うのだがな。そう言った意味ではゴーミヨがゴ・エ・ミヨ東京・北陸・瀬戸内2018で14.5/20と評価したのは正当なことで、非常によい事だと思う。2017版での11/20の評価はちょっと低すぎるし、当時の調査員の質にも問題もあったとは思うが。

さてさて、ピャチェーレの問題点はと言えば、サービスが人によってかなりのばらつきがあることと、ソムリエに難があること。この問題はシャングリラオープン当初からの問題であり、人によって差があり過ぎる。まだ、初代のピャチェーレマネージャーのアントニーの時代にはマネージャーの力量が突出していたのでカバーできていた問題も、その後次々とマネージャーが変わる中で改善がされて行かなかったのが未だに尾を引いていると言える。

もちろん、スタッフ一人一人の力量の問題も大きいのだが、総じてマネージャークラスが数字は見られるが背中を見せて教育なんてことはできない、といった昨今の外資ホテルが持つ最大の弱点がもろに出ているレストランでもある。

例えば、アンドレア・フェレーロが自ら吟味したチーズは20種類以上と豊富に揃うが、ピャチェーレオープン当初大枚を叩いて購入された”クリストフル”の高級チーズワゴンは使用されずにただの木のお盆で見せ説明するだけだったりと使いこなせていない。

また、素晴らしいシャンデリアではあるがゲストがテーブルでメニューを吟味するには薄暗いテーブルも多く、ゲストがスマホのライトをかざしてメニューを見ている姿などはちょっとがっかりする。実はそうしたことが起きないような対策は持ち合わせており、手元明かりの用意もレストランにはある。だが、そうしたゲストのちょっとした要望を察しする事が出来るスタッフがごくわずかであり、できるスタッフほど忙しく動いているので結果、ゲストの要望は満たされないという状態。

こうした要求が上手く満たされないことが時おり一つのテーブルで次々起きることもあり、結果、不幸なゲストが産まれてしまう。料理の満足度が上がっているだけにこうした部分が逆に目立っていているので、早期の改善が望まれる。

もう一つ、最大の問題がソムリエ。
何故かピャチェーレは開業当初からソムリエにはあまり恵まれず、初代のシェフソムリエ以外には気の利いたソムリエを見たことがない。イタリアワインのソムリエはオタク気質のソムリエが多いものなのだが、どーもピャチェーレにはそうしたソムリエが来ないようだ。

2つの素晴らしいワインセラーがあり、一つは天井高4.8メートルものワインセラーであり、もう一つの高価で希少なワインのみ美しい木製の引き出しに貯蔵するプレミアムワインセラーである。そのセラーの眠るよきイタリアワインもたくさんあるのだが、活用しきれてゲストの満足を引き出せるレベルのソムリエがいない。そのことが如実に表れるのがグラスワイン。アンドレア・フェレーロの料理にマッチしたグラスワインがきちんと用意しきれない。ソムリエの文法上は合っていても、ゲストに価格なりの満足を与えられるワインが用意されていない。

プレミアムワインセラーには約400種類のシャンパンとワインが収められており、2011年以来、4年連続アメリカで最も著名なワイン専門誌「ワインスペクテイター」による、優れたワインリストを持つレストランを評価する“ベスト オブ アワード オブ エクセレンス”に選ばれるほどだし、初代のマネージャーアントニーのワインに対する見識が基礎になったよいワインが揃っているんだけどなぁ。

とあれこれ書いたが、総合点では合格点のレストラン。ハレの日に窓側のテーブルに座り、一杯目を無難なシャンパンをオーダーし、ちょっと重めのグラスワインを選んでおけば意外に問題なくよい時間が過ごせるかもしれない。なぜなら、しつらえと窓からの眺めが全てをよい方向にもっていってくれるから。シャングリラ ピャチャーレのプラン一覧

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